神様に会いにいく

【連載エッセイ】 Vol.4 天岩戸(日向大神宮①) 


前回の記事に引き続き、今回もアマテラスさまに会いにいくのです。

日本七神明のうち、二社が京都にあって、そのうちの一社が前回の朝日神明宮。そしてもう一社が日向大神宮。日向大神宮は京都のお伊勢さんと呼ばれるほど、たくさんの神様が祀られている。そしてアマテラスが引きこもった天岩戸を祀る神社まであるらしい。

最寄り駅は地下鉄蹴上駅。美しい紅葉で有名な永観堂や、桜がきれいなインクライン、レンガのアーチが立ち並ぶ水路閣など、写真スポットがたくさんある地だ。わたしは何度もこのあたりを訪れ、うろついていたのに、日向大神宮の存在を知らなかった。

駅からすぐ鳥居が見つかった。なんだ近いじゃないかと思ったら、ここからプチ山登りでした。サンダルやヒールで来ない方がいいですよ。

本当に道順合ってるかどうか、心配になる、うっそうとした山道。

迷った? と思ったら、手書きの目印。ありがたい。

東山トレイルというハイキングコースになっているらしく、道を間違えたら伏見稲荷まで行ってしまうよ。

ようやくついた。何か見える。

階段を登って目の前に広がった光景に、ざわざわっと鳥肌が立つ気がした。なんか、弥生時代みたい……。

伊勢神宮と同じ神明造のかやぶきの建物たち。見るからに神様のお住まいという感じ。深い山の中の大きな木々。人も少ない。人の地に神が来たというよりは、神の地にお邪魔しているような気持ちになる。

伊勢神宮と同じく外宮と内宮がある。

外宮に祀られているのは、天津彦火瓊々杵尊(アマツヒコホニニギノミコト…略してニニギ)と天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ) 。

ニニギさまはアマテラスの孫で、アマテラスの命令で天から降りて来てスサノオの子孫の大国主に国を譲れと迫った神。

アメノミナカヌシさまはアマテラスの親であるイザナギ・イザナミより先に生まれた、というか、一番に生まれた、なんかすごい偉い神様。

このへんは、またおいおい。

まずは外宮にお参り。そして階段を登って内宮へ。

紅葉したらきれいだろうな。

ここにアマテラスさまがいらっしゃいます。なんだかとても厳かな感じがする。確かに神様が住んでいるという感じがする。

一緒に祀られているのがタギリヒメ・イチキシマヒメ・タギツヒメ。アマテラスとスサノオのきょうだい対決のときに生まれた三姉妹。外からは見えないけれど、中にはアマテラスの弟でスサノオの兄のツキヨミノミコトも祀られている。

このエッセイを書き始めて知ったのですが、神社で鈴を鳴らしてお参りをする場所は拝殿といって拝む専用の場所で、奥の見えないところに神様の住む家「本殿」があるんですよね。上から見るとよく分かる。

ひとつ前の写真は手前の屋根を正面から撮った写真でした。拝むところからは、奥に立派なお屋敷があるのがほとんど見えない。神様的には家を覗かれるよりも、このほうが落ち着くだろう。でも宗教って、豪華絢爛な建物や像や神々しい宝物を見せて、美しさで圧倒させて存在を信じさせるという面もあるのに、神社の神様は本当に不思議。神様のために家を作ってご飯を備えて踊りをささげて……。布教する信者に対してではなく、ひたすら神様の方を向いている感じ。

神社の神様に対する姿勢は、「敬う」という言葉があてはまるかもしれない。導いてくれる師でも模範でもない。救いの父でもない。神々は好き勝手自由気ままに存在していて、わたしたち人間は、その存在のありようを尊重しつつ、怒ったり祟ったりしないでくださいねと、ご機嫌を取るような感じ。神々の世界に共存させてもらっている感じ。

神々の世界に共存させてもらっている・・・? あ、そっか。最初に神々が生まれ、イザナギとイザナミが日本の島々とたくさんの神を生み、神々のあまたの物語が生まれ、やがて人が現れてくるわけで、神々の地に後からわたしたちが生まれたわけで。そして人間の祖先のように入れ替わっていくわけではなく、神はずっと存在し続けている。今日、この神社に初めて足を踏み入れた時に感じた印象「神々の地にお邪魔している」という感覚を、昔の人は常に持って生きていたのかもしれない。

うーん、何かがつかめそうでつかめない。もどかしい。

しかし、連載4回目にして何かをつかんでしまうと後が続かないので、先へ進もう。

内宮から徒歩10分進んだ先にアマテラスが隠れた天岩戸を祀る戸隠神社があるという(ちなみに、天岩戸を祀っている場所は全国に何か所もある)。徒歩10分って、山登り10分じゃないか。結構きついぞ・・・と心が折れかけたところに天岩戸が現れた。

おお……なんか予想していたよりガチでした。

「開運厄除けの天の岩戸くぐり」って書いてある。え、くぐっていいの?

くぐりました。わたしが隠れていた間、世の中が闇に閉ざされたりしていなかったですか? 大丈夫でしたか?

岩の中にはアマノタヂカラオという名の神様が祀られていました。閉じこもったアマテラスが外の様子が気になって、そーっと戸を開けたときに、えいやっと外に引きずり出した力持ちな神様。この方が岩戸の中に祀られていたら、もうここに引きこもれないね。

引きこもった部屋を祀られているアマテラスはどんな気持ちなのでしょうか・・・・・・。

ほかにも、たくさん神様が祀られていて、もっと紹介したいので、 次回に続きます!

施設情報

日向大神宮

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日向大神宮

この記事を書いた人

寒竹泉美

小説家・医学博士

寒竹泉美

岡山生まれ、広島育ち。京都に住んで15年が過ぎました。ペット可の古い貸家で白黒猫のモーちゃんと夫と、マイペースに暮らしています。

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