おとながーる’sこーで

【連載コラム】vol.4 着物を自由に(美しさとルールはちょっと気にして)楽しむおとながーる。


五年前、古きものの市にて紅型の訪問着に一目ぼれ。

当時は“訪問着”の言葉の意味さえわかっていませんでしたが、この着物を着たい!という思いから着物との付き合いが始まったのです。

練習用のお手軽な着物も買い込み、雑誌やWEBを見て、独学で着付けを練習しましたが、どうしても帯の結び方が理解できず、外出先で帯がバサァ!と落ちたことをきっかけに着付け教室に駆け込みました。3か月の着付けコースを終了するころには、不器用な私でも人前に出れる着付けをできる状態にして送り出していただきました。

自分で着付けができるようになれば、着物は気軽に着ることができます。美術館やクラシックコンサートなどにおすまし顔で出かけることができるようになり、何だか立派な大人になった気分。

着物の色合わせ・柄合わせは洋服とはまったく異なります。また、似合う色柄も変わるので、洋服では決して手を出さなかったピンク色などにもチャレンジしたり。柄と柄の大胆な組み合せを試してみたり。また、季節に合わせたお花の柄を選んだり、イベントに合わせてモチーフを選んだり。着物のコーディネートを知ることで、洋服の選び方・組み合せも自由に捉えることができるようになったのは意外な成果でした。音楽会には音符の帯留、花鳥園に行く時は季節のお花の着物と鳥モチーフの帯、など、装いの粋な遊び方を着物は教えてくれます。

着物自体の着こなしが変化していく楽しみもあります。正統派コーディネートに飽きたら、レトロコーデ。ベレー帽やブーツだって合わせちゃったらいいのです。袴にブーツ合わせるくらいですから、自然になじみます。

帯揚(帯の上にちらっと見えている布部分)だって洋装用のスカーフを使っています。

着物を来て京都の町を歩くと、いつもよりずっと話しかけられる機会が増えます。外国から来られた観光客の方にツーショットを求められたり、駅のトイレで着付けを直していたら、年配の女性が手伝ってくれたり。

叡山電車で乗り合わせたミセスの方々が話しかけてくれて、たった2駅の間に既婚未婚の別や出身地まで聞き出されるほどに会話が盛り上がったこともありましたし、お隣の県のコンサートに遠征したところ、当時の知事の方からすれ違いざまに褒められたこともありました。

もちろん、着物を着ていないときにそんな経験をしたことはありません。

何だか不思議な着物マジック。
袖すり合うも多少の縁とはいいますが、たもとがディープなコミュニケーションを生んでくれるのです。

西陣を抱える京都は、着物に対して思い入れのある人も多く、着物を身に付けるのが少々怖いなと感じたこともありました。長年この街を支えてきた方々へのリスペクトは忘れたくないので、作法と着こなしの美しさには気を遣います。帯揚にスカーフを使ったりブーツを履いたりしても、きれいに着る努力はできるだけする、というのが自分ルール。まだまだ至らないとこだらけではありますが…。

着物関連の書籍は読みやすいものがたくさん出ていますし、なんてったってこの街で着物を着ていると諸先輩方がどんどん生きたルールを教えてくれるんです。

式典などでない限り、自由に楽しむ、でもルールと美しさは気にする。おとながーるの着物への向き合い方、そんなところでいいかなと感じています。

施設情報

古着スペースbridge

古着スペース

古着スペースbridge
  • 京都市左京区高野蓼原町25リバーサイドハイツ1F奥(リバーサイドカフェ内)
  • 変動します。Facebook掲載の2週間スケジュールをご覧ください。
  • riversidecafe.KYOTO
  • riversidecafe@a-con.jp
  • リバーサイドカフェ内にある、不要になった古着を捨てずに次の人へつなぐためのスペース。すべて100~1000円までで販売中。お譲りも大歓迎。

この記事を書いた人

持木ユリイカ

リバーサイドカフェの管理人

持木ユリイカ

京都暮らし8年目のアラサーライター。本業は曜日・時間帯で店長の変わるリバーサイドカフェの管理人。

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