酸いも甘いも京の体験

【茶源郷まつり】来て、見て、食する、楽しい茶源郷


京都府の南部に位置する山城地区は、宇治、宇治田原、和束、南山城村といった宇治茶の有数の産地です。中でも和束町・石寺には、京都府景観資産地登録第1号にも指定された美しい茶畑があります。古民家が点在し、お茶のPRによく使われる場所です。

毎年11月に、この和束の和束運動公園で、茶源郷まつりが開催されます。お茶を愛してやまない萩野が、今回はこちらの食レポートをさせていただきます。 京都駅からですとJR奈良線で木津駅で乗り換え、加茂駅下車。そこから無料シャトルバスで15分くらいです。ホームページでチェックして、事前に予約をしておくと効率よく回れます。

朝10時から、茶鳥風(cha-trip)さんの「すずめのお茶やまピクニック」へ。 お天気にも恵まれ、まさにピクニック日和! 40分ほど茶畑をぐるりとお散歩して、お山の上でティータイム。急斜面で何度か滑りそうになりましたが、見晴らしも本当に素晴らしいです。ぽかぽかと気持ちよかったです。

このイベントは約2時間あって、ゴザの上でまったり。実際に各地の茶産地に行かれた体験談を聞きながら、お菓子とお茶を頂きます。

お菓子は、和菓子すずめ家さんのお干菓子「山茶花」と和束の和紅茶を小豆餡に練りこんだ羊羹です。羊羹の下に敷き詰められているのはお茶の葉で、添えてあるのはお茶の花です。このしつらえがまた素敵ですね!

愛知県の足助寒茶(あすけかんちゃ)、徳島の相生番茶、奈良の十津川番茶、ミャンマーのお茶を頂きました。足助寒茶はさっぱりと甘く、相生番茶は茶葉を発酵させたもので、乳酸菌の酸味を少し感じるお茶でした。十津川番茶はいわゆる番茶らしいしっかりとした風味がありました。ミャンマーのお茶は少し薬っぽい感じでしょうか。それぞれ個性的! 普段あまり番茶は飲まないのですが、それぞれ色も違うし、とてもおもしろい飲み比べでした。

茶畑の青々とした葉に、萩野もテンションアップ! とても爽やかなスタートです。

天空カフェは、京都府景観資産地登録第1号が見渡せる高台にあり、高台寺の茶室(傘亭)をモチーフに、ヒノキや杉で作られた茶室になっています。予約すると、こちらでお茶を頂くことができます。今回は時間がなかったので去年の写真です。

ちょうどお昼なので、「お茶づくしの屋台村」へ向かいます。こちらにはお茶を使った料理がいっぱい♪

まずは前から気になって仕方なかった、(株)キザキ食品の和束茶フランクフルト。斑点のように見えるのがお茶の葉です。お好みでケチャップとマスタードをかけて頂きます。素材を楽しみたいので、マスタードはつけずケチャップも少なめにしました。茶葉がいっぱい入っているからかさっぱりとしていて、パリッと食べ応えのあるフランクフルトでした。

続いて、今西製茶さんのおかいさん(茶粥)です。トッピングは3種類選べるようになっていました。萩野は梅干し、のり、とりごぼうをチョイス。鶏肉のうまみとごぼうのシャキシャキ感がとってもよい感じです。

お忙しい中・・茶粥の作り方についても教えて頂きました。このようにほうじ茶を煮出しておいて、鍋に生米とほうじ茶をいれて15分ほど炊くとできるのだそうです。味付けはミネラルの多い塩のみです。あとはトッピングでアレンジします。これなら家でもできそうですね!

今西製茶さんは、自園でお茶を作り、自工場で荒茶に加工し、それをそのまま販売されています。ほうじ茶の試飲も頂きましたが、さっぱりとして優しい風味でした。

続いて、たこ楽さんの抹茶のたいやきです。こんがりと焼けていい色です。あんこもたっぷり。抹茶と合わないはずがありません! さっくりと香ばしく、甘すぎることもなく、ぺろりと食べてしまいました。

「世界のお茶を楽しむエリア」では、試飲茶碗を200円で購入すると、各ブースでいろいろなお茶を試飲することができます。和束4H倶楽部の和束の抹茶、茶夢来(さむらい)の静岡県産の和紅茶。和服姿が目を引きますね。こちらの茶夢来さんは、菊川市を拠点とする若手茶農業者グループで、依頼を受けて各地でイベント活動をされているそうです。

お茶ガイドさんのブースでは、黒バラ茶や古来中国のお茶を扱われていました。この板みたいなものもお茶の葉なんですよ!日本ではほとんど見ることはないですよね。中は細かい葉で、表面は大きめの茶葉で、ぎゅっと固められています。削って使うのですが削るのがもったいない・・。

左上がモンゴル奶茶(ないちゃ)。上の川字磚茶を小刀で削って、こん棒で茶を砕いて水を入れて煮込みます。牛乳を加えて煮沸させ、塩やバターを加えて飲まれます。すごくまろやかで飲みやすかったです。
右上が岩手、九戸村のあま茶。なんとこれ、イギリスの「グレート・テイスト・アワード2012」という食品コンテストで、8807もの飲食品の中から、ゴールデンフォーク賞を受賞されたんですって。優しい甘みのあるお茶でした。
左下が滋賀県の政所茶。滋賀県では朝宮茶、土山茶、信楽茶、政所茶があるのですが、この政所茶だけ、なかなかお目にかかることがなくて、今回やっといただくことができました! 88歳のおばあちゃんが、在来品種の茶を無農薬で栽培されており、肥料はススキと落ち葉と油かすを使われているのだとか。体にも優しいお茶ですね。
右下がお茶芽Dream朝宮の和紅茶。こちらも滋賀県です。茶の花びらも淹れてくださいました。それだけでも優雅な気分になりますね。

お茶芽Dream朝宮のブースがまたユニーク、お姉さんもノリノリで写ってくれました。これ、なんだかわかりますか?左から茶の実、茶の実の中(1つの中に3粒入っています。)、茶の実を砕いたもの、油を採ったあとのカス・・だそうです。通常、茶園では花も咲かせず、実もならないように育てます。なので、こちらでは実をとるための専用茶園を作られています。

ちなみにこれで油を採るのだそうです。上に砕いた茶の実を入れて、見えないですが、向こう側にハンドルがあり回すと、油が採れるんですって。なかなか手間がかかるので、いいお値段はしますが、オリーブオイルのようなもので、くせもなくオレイン酸がたっぷりです。料理に使用してもいいし、髪や肌につけたりして使います。

茶の花入り紅茶や茶花茶、粉茶で作った黒にんにくなんていうのもありました。お茶の中に、にんにくをつけて2週間発酵させるんだとか。

黒にんにくは、前から気になっていたので購入~。皮をむいてみると、本当に真っ黒!そしてゼリーのように柔らかいです。一粒食べましたが、にんにく臭さはなく、食欲をそそる香りは残しつつ、甘いんです!これにはびっくり。

気になっていた、Kobo Teaさんの酵母茶。和束茶をカリフォルニア産の酵母スコビー(scoby)で発酵させたお茶で、海外ではkombuchaとして知られています。いわゆる昆布茶とは別物です。今ハリウッド女優の間で人気になっているそうで、先日テレビでも紹介されていました。これを和束風にアレンジして、緑茶、和紅茶、ほうじ茶、緑茶りんご、和紅茶りんごで発酵させています。萩野は和紅茶りんごを注文。そのままでは濃くてすっぱいので氷で割ります。りんご酢のような風味でさっぱりとしておいしかったです。体にもよさそうですね。

ところで、紅茶というとスリランカやインド、中国が有名ですが、日本でも紅茶を作っていて、昭和30年には8525トンもの生産量がありました。昭和46年以降、紅茶が輸入されるようになり、劇的に生産量が落ちてしまいました。そして今再び、各地で国産の紅茶(和紅茶)が作られ、密かなブームにもなっています。京都府産の紅茶もいろいろあるんですよ。ご興味のある方は、毎年行われている「全国地紅茶サミット」にも足は運んでみてくださいね。今年は12月4、5日に奈良で開催されます。

続いて、いずみや茶舗さんで、デコ茶缶づくり体験!
いろいろデコるのが流行っていますが、初挑戦してみました。
缶と瓶と選べて、缶にしました。そして紙をそれぞれ選びます。さてさてどんなふうにできあがるかな? 手先不器用だし、デザインセンスもないので・・もうどうしたらいいのやら・・。ひとつひとつ教わりながら、挑戦して、30分ほどで完成~。こんな感じになりました。

中央の水色の帯が微妙な感じに・・。柄を組み合わせるって難しい~。ビーズもどう乗せてよいのかわからず、ずらしてみたけど、なんだか変ですね(苦笑)。右の青いのはは友人のです。小学生が隣で作っていましたが、とてもかわいくセンスも素敵に作っていました。さすがイマドキの子! それを見て少し凹む・・。

気を取り直して・・次は茶ノ実鶴園さんの「ベルギー人茶人 ティアス宗筅のお茶席」へ。

ティアスさんは、来日して10年、茶道(遠州流)も10年、そして日本茶インストラクターの資格も取得されているという、お茶のスペシャリスト。遠州流のお点前を拝見しつつ、所作を教えて頂きながら、楽しく時間を過ごさせていただきました。あ、もちろん日本語です。もともと剣道をされていたそうで、文武両道とは頭が下がります。茶席は、萩野が座っているところと、お茶を点てるところの2か所に畳が敷いてあります。これだけで立派な茶席になるんですね。茶人である小堀遠州が好んだ瓢箪をモチーフにされていて、風呂釜、茶杓置き、そして茶箪笥にほどこされています。風呂釜には炭を入れられていました。

上はベルギーのスパイスケーキ。シナモンが入っているのですが、ふわっと香る程度であっさりといただけます。抹茶は和束の有機抹茶で、あっさりとしているのですが、すーっと体になじんでいくんです。これにはびっくり。 ベルギーの食生活のお話も伺いました。ご飯と飲み物は別で楽しむので、がっつりご飯を食べてから、バーに行ってひたすら飲むんですって。なので“つまみ”というものがないのだとか。確かにベルギービールは有名ですよね。800もの種類があるんだとか。

茶席というと、こじんまりした茶室を思い浮かべますが、こういう美しい紅葉を見ながら、自然のもとで頂く茶席というのもなかなかいいですね。周りを人がうろうろしてはいたのですが、気にならないというか・・その茶空間の中に身を置いて、気づくとそれらをシャットアウトしているのも不思議でした。

続いて、茶香服(ちゃかぶき)体験です。お茶を飲んで、その産地や特性を当てるゲームで、室町時代から上流階級で貝合わせなどとともに流行しました。お茶は、宇治玉露、八女玉露、宇治煎茶、静岡煎茶、鹿児島煎茶の5種類です。茶葉を見てどういうお茶か想像し、そのあと一煎ずつ飲んで、札を札入れに入れていきます。なので、あとで「さっきの間違った~」と思っても、修正もできません。厳しいっ! 2回戦までしてその点数を競います。玉露と煎茶の違いはわかりますが、なかなか難しかったです。点はどうだったかって?・・あはは、ないしょです。

最後に駆け込みで入ったのが、NPO法人和束ティー・フレンズの野点茶席です。鹿児島県産のさえみどり(品種)を注文。こちらは日本茶インストラクターの方が説明をして、自分で淹れるというスタイルです。

お湯を急須に取り、湯冷まし、湯のみに移して、40℃くらいまで湯冷ましします。40秒ほど待って注ぎます。色は薄めですが、青のりのようなまったりとした甘みがありました。3煎目までいただいて、最後は茶殻をポン酢で頂くのですが・・さすがにタイムオーバー。バスの時間もあったので、泣く泣く後にしました。

お茶はこれ以外にもいろいろ飲んでいますが、スリランカやトルコ、シリアのブースまでは行けませんでした。ほかにも抹茶コロッケ、和束茶を使ったピロシキ、卵かけ茶飯、茶油の焼きおにぎり、茶カルビ丼、セイロンティーカレー、ほうじ茶ゼリーなどなど・・気になるフードもいっぱいでした。あぁ・・食べたかったっ。
お茶尽くしで、京都に居ながら日本だけでなく、世界に親しめるこのイベント、本当におすすめです。

茶源郷まつりは2日間あるので、この運動公園内にある和束荘に宿泊するのもひとつ。2016年7月にオープンしたばかりなんです。煎茶を浮かべたお茶風呂やお茶を使った料理、茶香炉など、お茶を五感で楽しむ宿になっています。お部屋の名前もお茶の品種名になっているんです。お茶好きとしてはたまらない内容!また行かなければ・・。

そして、運動公園の近くにあるのが和束茶カフェ。和束のこだわりの140種類ものお茶がずらり。隣接した、木造の落ち着いた部屋で、お菓子とお茶を頂けます。

来年は、お茶の京都博が開催され、ますますお茶が盛り上がる事まちがいなし!

イベント情報

茶源郷まつり

イベント

茶源郷まつり
  • 和束運動公園
    〒619-1222 京都府相楽郡和束町白栖猪ケ口25-5 付近
  • 11月5日(土)10:00~16:00
  • 11月6日(日)9:00~16:00
  • 茶源郷まつり公式ページ

この記事を書いた人

萩野桂

ライター

萩野桂

京都生まれの京都育ち。詩や小説を綴りつつ、歴史が語る、京の記憶に魅せられて、今日もふらりと歩いています。

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