おいしいもん倶楽部

【京甲屋】目にも美し、舌にも旨し。王道日本料理の粋


すっかりグルメナビのように友人知人たちから認識されている椿屋が、遠方から京都へ来るひとに必ず薦める和食屋があります。
それがここ、「京甲屋」。
その名は、甲屋町に念願のお店をオープンしたことに由来します。
ご店主である池田さんと出会ったのは、かれこれ14、5年前。
新町のお店で雇われ料理長をされていた頃に、取材で知り合いその出汁の豊かな味わいと八寸の季節感あふれる美しさに舌と目を奪われて以来のおつきあいです。

京町家をリノベーションした店内は、上品で洗練された空間。
1階には調理場に面した8席のカウンターと、襖で仕切られた個室がありこの夏に2階を改装して新たに個室を増やし、宴会にも対応可能に。
ひとりでふらっと、というには少々ハードルが高いかもしれませんが、あえてここはおめかしして、行くぞ!とワクワクしながら訪れてほしいお店。
自慢の中庭は、喫煙スペースとしても利用できるので秋の月夜を眺めながら一服するのも一興です。

さて、料理はといえば。
基本的にはお昼も夜もコースでいただきます。
アラカルトもありますが、まずは店主おすすめのコースをご堪能あれ。
この日の先附けは、秋の味覚満載!
栗と銀杏と柿と湯葉の白和えは、各素材の旨味がしっかりしていて絶妙のハーモニーがこの先のお料理への期待を煽る一品。

続いて、繊細な昆布の旨味に気持ちが解けるような椀物を挟んで、わさび醤油ではなく、オリジナルのタレでいただくお造りが出てきます。
素敵な器で3皿。
少し炙ったカマスの握りはとろけんばかり。
シマアジは弾力のある締まった身に心が浮き立ちます。

こうなってくると呑まずにはいられないのがサガ。
好みの純米から、お料理に合うものを相談して持ってきてもらいます。
氷の上にそっと添えられた紅葉に深まる秋を感じて、そろそろぬる燗もいい季節になってきたな~なんて、しみじみ。
食から四季を身近に感じられるのも、日本料理の魅力のひとつです。
その後、焼物、煮物と続いて、

「炊き立てでございます」と運びこまれたのが、釜焚きご飯。
お米が立ってます!
つやつやと光ってます!
ごはんのお友は、自家製のちりめん山椒とお漬物。
「おかわりいかがですか」「まだありますよ」の声に、ついつい3杯も食べてしまう誘惑……抗えません。
デザートは、名物のわらび餅か季節の品から選べて最後の熱いお茶をすすれば、至福のときの終了です。

長年の修業を経て、京都でご自身のお店を構えた際、「京都で和食」への気後れするイメージを少しでも払拭して気楽に食事を楽しめるように、と工夫を重ねてきた池田さん。
おもてなしやお料理にも、その精神が表れています。
数年前に、某有名ブランドのパーティが開かれた際フランスから来日していたフォトグラファーをはじめ、モデルやブランドの担当者が大絶賛してくれたこともあったほど。
「京都で和食」という注文のときに、必ずおすすめする1軒です。

施設情報

京甲屋

割烹・小料理

京甲屋
  • 京都市中京区堺町通蛸薬師上ル甲屋町390
  • 075-708-5605
  • 11:30~14:30(L.O.13:30)
  • 17:30~22:00(L.O.21:00)
  • 木曜定休
  • http://kyokabutoya.com/

この記事を書いた人

椿屋 山田涼子

文筆・講師

椿屋 山田涼子

京都は西陣にある長屋に暮らし、書籍に埋もれ、美酒美食を愛し、映画や着物に散財しながら、取材をしたり文章書いたり国語を教えたり。映画・演劇好きが嵩じて、レビューサイト「椿屋劇場」をオープン。支配人として年間150本以上の鑑賞を行う。

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