社寺さんぽ

【下鴨神社】蹴鞠はじめ


平安時代、貴族たちは朝廷での勤めが午前中に終わると、午後からは自由時間! さまざまな遊びが繰り広げられました。男性たちの間で流行となった「蹴鞠」もそのひとつです。蹴鞠を行なう場所を懸(かかり)といい、15m四方の隅々に北西に松、北東に桜、南東に柳、南西に楓の木を立てます。その内側に砂を敷き、数人で輪になって、鹿の皮でできた鞠を、地面に落とさないように蹴る遊戯です。勝ち負けを競うのではなく、どれだけラリーを続けるかが目的です。審判を見証(けんしょう)といって、その数をカウントしました。競技する人を鞠足(まりあし)といい、三回蹴り上げて、次の人に渡します。貴族の遊びにしてはハードなので、主に官位の低い若い男性貴族がしていたようです。

毎年1月4日13時半から、下鴨神社で「蹴鞠はじめ」が奉納され、一般公開されます。
11時に着く予定が、出遅れてしまって11時45分頃に到着。写真撮るならここで、と決めていたので、 そこめがけてまっしぐらです。

・・・すでにすごい人でした。 約2時間前ですよ?? これにはさすがにびっくりです。萩野がいるのは無料観覧席ですが、なんとか2列目に場所取りできました。ニュースでよく見る場所ですよね。ちょうど隣に報道陣がいます。ちなみに有料観覧席は2000円です。こちらが争奪戦みたいですね。

13時半から、本殿の儀が行われます。そして13時50分頃、鞠足たちが鞠庭に移動し、一旦待機されます。色鮮やかな平安装束に身を包み、ずらりと並ばれている姿は圧巻ですね。

14時から 蹴鞠はじめの儀が行われます。神官と鞠足の年長者が入場し、所定の位置に着きます。そして、「解鞠(ときまり)の儀」を行ないます。本殿でお祓いされた枝鞠を、神官から鞠足が受け取ります。

鞠足は袖で覆って、鞠を枝から外し、鞠庭に鞠を放ちます。

脇で待機していた鞠足たちが、一人ずつ順番に入り、定位置に付きました。 並ぶ順番、入る順番、位置まで決まっているようです。 6人ないし8人を一座として行います。

まず最初の一座が、一人づつ試し蹴りをしたあと、「アリ」「ヤァ」「オウ」と掛け声をかけながら、鞠を蹴り合います。これは、この鞠庭の四隅の木々に神々が宿るので、鞠の三柱の御神名である、「春陽花=ヤウ」、「夏安林=アリ」、「桃園=オウ」を称える意味があるのだそうです。先にも書きましたが、1人が3回蹴るのが決まりで、まず蹴られた鞠を受け止め、そして自分の鞠を蹴り上げて、次に渡すために鞠を蹴ります。

高く鞠が上に上がると歓声がっ! 間近で見ていることもあって、なかなかの迫力です。

15分ほどしたら、二座に交代。 同じことを繰り返します。 その年によって二座までのときと三座までのときがあるようです。このときは、二座で1人がこけて、足をくじいたらしく、メンバーチェンジ。 そのためか、三座はありませんでした。

蹴鞠は、『源氏物語』にも出てきますね。「若菜上」巻で、六条院で、女三の宮(源氏の正妻)の女房達が、蹴鞠に夢中になっている若い公達たちの姿をこっそり見ようとするのですが、ちょうどこんな感じなのかなと想像してみるのもまた楽し。
・・ん? 若い公達たち・・?  そこは想像でどうぞ。

場所が下鴨神社ということもあって、朱塗りの楼門をバックに、平安絵巻さながらの雰囲気が楽しめます。待ち時間は長いかもしれませんが、京のお正月らしい、風流で優雅な時間を過ごすのも一興です。

施設情報

下鴨神社(賀茂御祖神社)

神社

下鴨神社(賀茂御祖神社)

この記事を書いた人

萩野桂

ライター

萩野桂

京都生まれの京都育ち。詩や小説を綴りつつ、歴史が語る、京の記憶に魅せられて、今日もふらりと歩いています。

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