社寺さんぽ

【神泉苑観月会】禁苑にて舟から中秋の名月を愛でる


京都には、風流な舟遊びができるところがいくつかあります。
伏見や岡崎の十石舟、大覚寺大沢池の龍頭鷁首舟(りゅうとうげきすせん)、保津川下り・・。
舟に乗れる時期は大概決まっていて、常に乗れるわけではありません。
特に観月会は、同じ日に開催されることが多く、行けるところも限られてしまいます。

「舟好きとしては全制覇したい。」

・・ということで行ってきました、神泉苑。
神泉苑は、桓武天皇が平安京造営の時に、大内裏の南側に創建した禁苑(天皇のための庭苑)で、歴代の天皇が行幸遊宴を楽しまれました。
そんな場所で、今は一般人でも舟遊びを楽しめるのですから、これは体験しないともったいない。

中秋の名月は、陰暦8月15日のことです。
陰暦では、7月~9月が秋とされています。
7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋といい、8月15日は秋の真ん中なので中秋といわれます。
また、15日の夜だから十五夜ともいいます。
この日は満月になるとは限りませんが、日本では9世紀頃から漢詩人たちが中秋の詩宴を開くようになり、次第に天皇や上皇主催の観月の宴が開かれるようになりました。

乗船券は、当日の16時から販売されます。
抹茶とお菓子付で700円、限定150名となっています。
18時から法要が本堂であり、18時半から乗船が始まります。
券を購入して、18時頃から乗船口に並びました。

19時から音楽舞踊奉納ということで、龍王社拝殿前にて倭姫の会による奉納がありました。
「赤とんぼ」「ムーンリバー」「涙そうそう」など、しっとりとした音楽が心地よかったです。

月と舟を眺めているだけでも優雅で穏やかな気持ちになれたので、待ち時間もそれほど気になりませんでした。

20時頃、いよいよ乗舟です!
ゆっくりと進み出て、神泉苑の池をぐるりと回遊します。

この間に、お抹茶とお菓子をいただきます。
月もちょうどよい高さにありました。
乗船時間は約15分ほどですが、平安貴族の優雅なひとときを堪能できました。

実はこれだけでは終わりません。
18時半から、庭園特別拝観が行われるのですが、通常東北側、鐘楼があるところは通行止めになっていて入れません。
なので普段は半周しかできないのです。
それがこの日は一周できるのです!

この鐘には、正保3年(1646)の銘があります。
このほか供養塔が3基あります。
快我上人(神泉苑の中輿の祖)、片桐且元(賤ヶ岳の七本槍のひとり)、板倉勝重(京都所司代)です。
もともと苑池に泉が沸いていたので神泉苑と名付けられましたが、慶長7年(1602)、二条城築城の際に、その泉を利用して内堀が作られました。
そして当時の1/16ほどに縮小されてしまいました。
この快我上人や板倉氏、片桐氏をはじめ、地元の人々の尽力により、今の境内が保たれ寺院となったのです。

苑内の料亭平八さんの階段下には、布袋さんも座って池を眺めていました。
こちらでは、日本一太いうどんちりや京懐石などがいただけるとか。
寛政元年(1789年)創業で、昭和40年に苑内に出店され、龍王舟でも食事や宴会ができるそうです。

施設情報

神泉苑

寺院

神泉苑

この記事を書いた人

萩野桂

ライター

萩野桂

京都生まれの京都育ち。詩や小説を綴りつつ、歴史が語る、京の記憶に魅せられて、今日もふらりと歩いています。

関連記事

人気記事ランキング

まだデータがありません。

読みもの

特集

Menu